現在活躍している先輩薬剤師がどのようにキャリアアップしてきたのかをご紹介します。
case1 指導薬剤師取得者
1〜7年目:九州医療センター
- 血液内科の抗がん剤治療に興味
- 血液内科医師との連携
- 電子カルテへの切り替え
(レジメンシステムの担当) - 同僚薬剤師と連携して学会発表、論文投稿
医師側からの臨床上の疑問を受けたことをきっかけに学会へ論文投稿
→指導薬剤師取得への第一歩
- 腫瘍内科との連携→英語論文投稿
- 腎細胞がんの内服抗がん剤の診察前面談の運用立ち上げ
8〜11年目:小倉医療センター
- マニュアル整備
- 病棟薬剤業務実施(呼吸器科、眼科)
- 医薬品マスタ管理
- 電子カルテへの切り替え(注射、レジメンシステム担当)
- 同僚薬剤師と連携して学会発表、論文投稿
12〜15年目:福岡東医療センター
- 電子カルテ更新(薬剤部門担当)
- 業務改善:
簡易懸濁の導入、マニュアル整備
(超過勤務縮減、薬剤管理指導件数の増加) - 働き方改革
管理者の立場になって大切だと感じたもの
・薬学的知識
・他の職種との連携
・問題解決にむけた思考力
・データ解析、編集能力
→指導薬剤師取得の最中に少なからず経験していたこと
- 増員要求への対応
(2020年度に1名増員、2021年度に4名増員) - 診療報酬関連の対応
- 薬剤部長の退職-新薬剤部長赴任への繋ぎ
振り返って感じること
実臨床における薬剤使用経験に関するデータをまとめ、臨床に還元することの重要性を知り、指導薬剤師を目指すきっかけとなりました。
指導薬剤師取得の最中で経験、取得した薬学的知識、他職種連携、問題解決能力、データ編集力は、管理職には必須なスキルであると感じています。
1施設目(20代)のうちに多くの先輩(薬剤師、医師、看護師)と出会い臨床上で困っていることや疑問点に関してディスカッションできたことが、今の自分を形成する原点になっていると感じております。
case2 ママさん薬剤師
処方変更の理由や血液検査の結果が見えないことにモヤモヤ。
病院への転職を決意。
国立病院機構を選んだ理由…
「国立」って何かカッコイイ!
呼吸器や乳腺外科を担当。
多職種でのカンファレンスや回診、抄読会や学会発表、海外の学会聴講を経験。
調剤薬局との違いに戸惑いながらも医師や先輩薬剤師の指導のもと充実した毎日を過ごす。
整形外科や血液内科を担当。
夜勤業務あり。
救急病院の処方の多さに困惑。効率よくかつ確実に捌くことの重要さを知る。
外科を担当。
調剤主任。先輩薬剤師の指導のもと論文投稿。
夜間オンコール体制。
携帯をサイレントにしたまま爆睡して迷惑をかける。
結婚を機に宮崎へ転勤。
第一子出産。産休・育休取得。
第一子が一歳三か月の時、時短勤務で職場復帰。
第二子出産。産休・育休取得。
第二子が一歳の時、時短勤務で職場復帰。
利用した制度
- 妊産婦の危険有害業務の就業制限
抗がん剤調製、粉砕調剤の免除 - 妊産婦保険指導・健康診査
妊婦検診時に取得 - 妊娠中の休息、補食
つわりの症状があるとき - 産前休暇
出産予定日の6週間前から取得
- 産後休暇
出産日の翌日から8週間取得 - 育児休暇
育児休業給付金の給付あり(原則1歳まで)
- 育児短時間休業
1人目の時10:30~16:00の週5日勤務(24時間35分)
2人目の時10:00~16:30の週4日勤務(24時間) - 特別休暇
子供が発熱したときに取得
振り返って感じること
女性は特に結婚、妊娠、出産、育児などその時々でライフスタイルの変化が大きいと思いますが、その都度、自分に合った働き方(都会の大きな病院から地方のアットホームな病院、フルタイム勤務から時短勤務など)ができるのも国立病院機構の魅力だと思います。
また個人的なことですが、夫は全国転勤のある仕事なのですが、国立病院機構であれば全国に病院があり九州以外への異動も考慮してもらえるので助かります。